自家製麹つくり
2012.3.31
これまで、自家製味噌づくりの麹は市販品でしたが使用する量も多いことから金額もかなりのもの。
そこで、自家製「麹」をつくれないかと、早速、ネットで調べたら数件あり麹屋さんのものも。
保温する麹部屋はどうするか、段ボールを使ったもの、クーラーボックス(麹屋さんのもの)でデータ
を取ってみることに。
麹部屋の温度管理、麹菌が繁殖し易い30〜32℃が必要
1.段ボール
天然水の箱を2段に重ね、穴を開ける。下の段には湯たんぽを毛布で包み熱源に。
予備熱源にノーマットの発熱部分を使用。
周りには発砲スチロールを張り保温効果を高める。
測定時刻 室温 麹部屋温度 湯たんぽ温度
16:00 20.0 30.0 熱湯
17:00 21.9 32.0
20:00 22.8 30.0
21:00 21.2 29.0
22:00 21.5 32.0
7:00 18.2 27.0 40.0
以上のことから
22:00以降はデータを取っていないが、朝の湯たんぽの温度をみると、22:00時以降に温度低下
しているようであり、6時間たったらお湯を入れ替えすれば、温度低下を防げるのではないか。
就寝以降は室温も低下することから、補助熱源としてノーマットを加える。
2.クーラーボックス保温
これは麹種菌を購入した会社で提案していたものであるが、これでできるのであれば簡単である。
ペットボトルに熱湯を入れ保温材で巻きクーラーボックスの中へ。
測定時刻 室温 麹部屋温度
16:00 20.0 24.0
17:00 20.9 32.0
20:00 22.8 27.0
22:00 21.5 25.0
6時間程度で温度が低下、適温を保つのは少し無理かも、夏場では可能であろうか。
以上のことから段ボールを使った麹部屋でトライすることに。
さて、それではスタートです。
作り方の各工程にはそれぞれ専門的な名前をついていますが、素人ゆえ理解できない言葉ですので
ここでは素人らしくこれらの言葉は使いません。
夜22:00
研ぎ、水に一晩(約12時間)
米(ひとめぼれ)一升(1.5s)を研ぎ、一晩水に浸ける。
朝、7:00ざるで水きり。
蒸し
本来はセイロで蒸すのだそうだが、ないので蒸し器を使用します。布に包んで蒸します。
30分程度だそうだが、少し固そうなので45分蒸しました。
取り出し、荒熱取る
蒸し器から取り出し、広げます。
麹菌は熱に弱いそうで、36℃程度になるまで熱を逃がします。
種菌植え付け(10:00)作業開始となります
麹菌を植え付けます。
通常プロは米2.9s当たり1gの麹菌を使用するそうであるが、麹菌100gもあるので多めに使用することに。
10gを使ってみました。
1.米粒をほぐしことで菌をまんべんなくつける。
2.米粒の水分をとばす
3.米粒を36℃まで下げる(40℃以上になると麹菌がダメージを受ける)
保温
麹菌を混ぜ込んだ米をひとまとめに山状に積み上げ、さらし布で包み麹部屋へ
麹部屋温度30〜32℃になるように温度管理。
必要に応じてノーマットの熱源追加。棒状の温度計を差し込んでおけば管理しやすい。
段ボールに直接置くとむらが出るので、針金を組んだものに上げるといい。
切り返し(10〜12時間)23:00 1日目
米粒の表面が乾き、米粒どうしがくっついた状態で固いかたまりになりはじめる。
そこで米の内外の温度差による麹の繁殖むらをなくすために上下を置きかえる。
麹部屋に入れて12時間後、取り出して熱のむらが出ないように切り返す。
麹菌の繁殖が進み、熱くなっている。
このまま、麹部屋に入れ保温。
切り返し(作業開始から18〜22時間)2日目 9:00
切り返しを行い、再びさらし布で包み加温、この頃から菌糸の増殖が急激になる。
(作業開始32時間)2日目18:00
米麹が写真のように固まりになって菌糸が目につくようになり、固まりにぬくもりを感じる。
熱を均等にする
固まりをほぐし、箱の中へ、窪みとあぜをつくり内部だけに熱がこもらないようにする。
この段階から布をとり麹部屋へ。
平坦に均して麹部屋へ
(作業開始40時間)3日目 2:00
時間は深夜になるが、やることは同じなので就寝前夜11時頃平にならして麹部屋へ
麹部屋から出す
(作業開始48時間)3日目 10:00
ざるに広げてほぐし、15〜16℃の乾燥したところで20時間ほど冷やす
品質はどうかわかりませんが麹の完成です。
麹の養生
針金を網上げてこのような2段式の養生用網をつくりました。これで、これまでより多くの麹をつ
くることができます。
直接麹を段ボールの上にあげると、熱のむらができますのでこのようなものが必要です。
あとがき
麹菌が繁殖する条件は温度管理、30〜32℃を保つことが大事。
それから、麹菌の繁殖に伴い発酵熱で温度が上昇するので麹菌がダメージを受けないのよう40℃
以下を保つよう麹部屋の温度管理さえすれば、麹つくりは難しいことはない。
湯たんぽは温度変化が緩やかであり、麹部屋の保温には最適かもしれません。